アイドルマスターシンデレラガールズ第1話、想像以上に非常に丁寧に作られていました。
そして、そこに使われている印象的な情景描写があったことに気付かれた方も多いと思います。
まず挙げられるのは所々で挟まれる時計の描写でしょう。
なにせいきなり秒針の音から入って、時計のシーンから始まります。
シンデレラの時間が始まる直前
そして、時計の針が12時を指した瞬間に開演します。
12時!シンデレラの時間が始まる!
12時には魔法が切れるじゃないかって?
おいおい、シンデレラの物語は12時過ぎてからが本番だろうが…
まぁ、公演した時はどうやら12時ちょっと前に戻りますので、
おそらくこの時計は舞台と直接は関係の無い情景描写なのでしょう。
ただし、こちらでもOPサビパートが終了した時点で12時になっているので、
シンデレラの本番は12時から、という意味合いは変わらないと思います。
おねシンのバックビジョンに映る時計。左開始時、中OPサビ終了後、右一番終了後
これらの時計は「シンデレラ」の原作童話からのシンボルテーマとして描かれているのでしょう。
この「12時」がキービジュアルとして、次の時計は、11名の第二次(?)シンデレラオーディション被選考者組がフラッシュで登場した後のもの。
すごい勢いで12時に近づきながら、アップになる描写がされます。
11人のメインメンバーの時計。高速回転&ズーム
これは先だってオーディションに受かった11人のメンバーは、もう触れられる場所まで夢に近づいているということなんでしょう。
手を伸ばしたところに触れられるほど近くに迫っている夢
ただし、まだ鏡一枚分の壁がありますし、時計も12時までは到達していません。
彼女たちの夢もまだまだこれからということですね。
次の時計は卯月の留まっていた夢へが動き出す時計の描写です。
調整中が外れ、卯月の中で止っていた夢への時間が動き出す。
調整中の札が落ちることで、アイドルへの夢が動き出したイメージを印象づけています。
プロデューサーの背後に止った時計が描写されている。
札が取れる前のプロデューサーの背後にこの時計が配置されているのは、プロデューサーが止った時間を過去にするという暗示なのか、それとも止った時間を越えてきたという意味なのか。偶然の配置にしては出来すぎている気がします。
そして、12時に近い時間で止めてあるのは、シンデレラを意識させるためで、卯月のシンデレラまでの時間、つまりアイドルになるという夢を叶えるまでの時間とは少々関係無いようです。
なぜなら、実際の卯月の時間はその後の花屋の時計のシーン、
花屋の時計は6時、卯月のアイドルへの夢はまだまだ道半ば?
卯月がアネモネを買う、つまり期待と希望を胸に「頑張ります!」と言うシーンの合間に挿入されたこの6時という時間が実際に卯月がアイドルまでの距離を暗示しているのでしょう。
さて次に凜と時計です。凜ちゃんは2箇所ですね。
拒絶する凜と時計、4時。
まず最初にプロデューサーが名刺を渡そうとしたのをつっぱねて歩き去る時の時間です。
なんと今までで最も12時に遠い4時です。
凜のアイドルに対する拒絶感がひしひしと感じられます。
12時に近いけれど、暗闇の中の時計
それから色々あってこの暗闇の中の11時半過ぎの時計描写です。
直ぐそこにアイドルへの道はあるけれど、不安の闇の中にいる雰囲気が出ています。
最後に未央の時計描写です。
未央の時計はドドドアップ!
これでもかと言うぐらいのアップからオーディション会場に映ります。
時間は12時目の前、控えめに11時35分頃ですが、たった数秒しか出番のない未央が紛れもなく合格する勢いが、このどアップの時計からあふれ出てくるように感じます。
最後に次回予告から、
おそらくレリーフとしての時計。きっちり12時です。
346プロのエントランスと思われる建物にでかでかと掲げられている時計。
おそらくこれはレリーフで時計の本来の役目を担うものではなく、シンデレラプロジェクトを象徴するものとして配置されているものだと思います。
12時過ぎてから、アイドルは本当の意味で輝き出す、そんな意味がこの12時にこめられていればいいななどと思います。
時計一つなのに描写が細やかで多様な事にうならされます。
2話も時計が多用されるのか、それともまた違う情景描写がされるのか、一シーンも見逃せませんね。